Summer Pokets をプレイして

ネタバレありで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体を通して心に響く、良いゲームだった。

が、良かった故に最後の消化不良感が否めず、残念に感じる点も多かった。

 

 

個別ルート

・鴎

 最初にプレイしたルート。ことごとく予想を裏切られた。

 こういうひと夏の幻影みたいなやつに弱いんですよね…

 シナリオの出来でいったら一番好き。

 頭のおかしい女のガワにきっちりかっちりした設定でとても好感度高い。

 

・蒼

 おおむね予想通りで普通かなという感じ。

 コミカルな会話が楽しかった。

 藍のキャラ濃すぎてそれいる…???って印象が強かった。

 蒼が起きなくなってしまうところは藍でさんざん掘り下げたのであまり感情移入できなかった。

 ラストの七影蝶の演出はめちゃくちゃ綺麗ですき。

 というか紬と鴎ルートが良すぎてハードル高すぎんよ。

 

・紬

 とても、とてもよかった。

 演出ずるすぎる、読み物として一番良かった。

 帰りたくないと泣きじゃくるあたりからずっと泣いていた。

 ラストの沢山のロウソクCGも綺麗すぎてわけわからず泣いていたし、

 紬の夏休み流れたところで完全敗北した。

 エピローグも救いのある幸せなものでとても好きって感じだった。

 人形のフレーバーましましなところもすごくよかった。

 

・しろは

 メインヒロインということで期待値高めにとっていたので普通というのが正直な感想。

 終始ギャグテイストでなんかそこまでだった。

 しろはルートというよりも共通ノーマルという印象を受けたので、

 最初にプレイすればかなり印象変わったんだろうな、と。

 こういう不器用な女の子好きでしょ?俺も好き。

 

グランドエンディング

・ALKA

 嫌いなわけがない、事実上のしろはルート。

 最初のしろはルートが微妙になるのはしょうがないっちゃしょうがないよね。

 最後の方ずっと首を振りながら泣いていた。

 

・Poket

 エピローグに不満点が詰まっている。

 最も納得がいかなかった点はすべてが好転しているように描かれている点。

 全てしろはの能力が悪かったと取れてしまうラストで、好感が持てなかった。

 各個別ルートをあったかもしれない可能性として描いていた点はとても好感が持てたが、

 これではその全てを否定することになるのではないのかと思ってしまった。

 言及するならもっと頑張ってほしかったというのが素直な感想。

 蔵の整理も夏を最大限に楽しむということと相反して見えて謎。

 鏡子さんと瞳についても説明不足感が否めない。

 

 ここまで不満点を挙げてきたが、喪失感という点では十分すぎる火力で、

 胸に引っかかって離れない気持ちにさせられた。

 こちらの負けと言えば負けなのかもしれない。

 

 傷ついた2羽のカモメを見て、彼らは傷ついたからこそ出会い、

 傷つかなければ出会えなかったのだろうか、と物思いに耽るところめちゃくちゃ好きです。

 

 グランドエンディングの思い出ボムとかズルい。

 まああと普通にラストのしろはと羽未の会話もずるだよね。

 

 

・最後に

 ここまで不満多めに書いてしまいましたが、このゲームをプレイできたこと、非常に満足しています。

 やっぱり、ADVはADVでしかできない表現、演出があっていいなぁと再確認。

 不満も、とても良かったからこそ求めすぎてしまう結果だと思っているので。

 それだけ、心に残って離れない、とてもいい作品でした。

 夏の、とても強い、けれど心地よい、懐かしい眩しさ、そんな感じ。