Vシリーズを読み終えて
森博嗣のVシリーズを読み終えたので感想というか、得た感情を書こうかなあなんて思う。
まず、言い訳なのだが、私はまともに文章を書いた経験がない。
したがって、これから綴る文章は非常に読みにくく雑然としたものになることが予想される。そのところご容赦いただきたい。
更に言い訳を続けるが、私は読書をあまりしてきた方ではない、特にこの5年はほとんど本を読んでこなかった。例外は遠い昔に森博嗣のS&Mシリーズと短編集を数冊読んだのみである。したがってS&Mシリーズの記憶はほぼないし、多くの本を読んだ経験に基づく相対化された感想は期待されない。備忘録的役割も兼ねて書き記しておくものとしたい。
さて、私の森博嗣との出会いは高校時代に遡る。16進数の授業で先生が『すべてがFになる』の話を出して、興味を持って読んだのが始まりである。
当時読書なんてほとんどしていなかった私には非常に刺激的な体験だった。作品全体を覆う知的な雰囲気、小気味良いフレーズ、説明ではなく行動や言動で表現されるキャラクタの人格、すぐに私は森博嗣作品の虜になったのであろう、S&Mシリーズを買い揃え、読み終えてしまった。
特に印象に残っているのは犀川先生と西之園萌絵のくり広げるラブ・ストーリィ。正直、ミステリそっちのけでこの2人がどうなるのだろうとドキドキしながら読んでいたような気がする。
S&Mシリーズは実質ラブコメ、いいから読め。と冗談で友人に触れ回ったがあまり読んでくれなかった(最近一人読んでくれそうなのがいるが)。
ここまでS&Mシリーズの話をしてきたのには理由がある。Vシリーズは本格的にラブコメに寄っているからである。
そもそも私がVシリーズを読もうという気持ちになったのは、読書のマイブームのほかに短編集『今夜はパラシュート博物館へ』の『ぶるぶる人形にうってつけの夜』に心を撃たれたからである。フルーチェをれんちゃんに振る舞うしこさんほんとすき
では、Vシリーズの面白かった点について書いていこうと思う。
第一に、先にも述べたようにラブコメ的要素である。
本作品のメインパーソナリティは4人
探偵・保呂草順平
お嬢様・瀬在丸紅子
医学生・小鳥遊練無
女大生・香具山紫子
練無と紫子がくっついているイメージだったので保呂草と紅子がくっつくのかなぁなんて見ていたらそうではなかった…男女の組み合わせ4パターンで全部いい雰囲気になるもんだからもう見てられなかったよね、とても良い
しかもこの4人以外にももっとラブコメしだすというかそっちが本命なの!?みたいなところもあるのでぜひラブコメ好きの諸君には読んでほしいシリーズである。
呼んだ人向けに私の好きなシーンを書いておくとまず『三角』の練無と紅子がたこ焼きをつっついているシーン、『モナリザ』のラストの保呂草紅子のアトラクションのとこも好きだし、『夢』の逃避行も好きだし……一番好きなのはやっぱり『魔剣天翔』のラストれんちゃんしこさんのあれだよね、最高だよね
私が一番好きなのはれんちゃんこと小鳥遊練無。周囲から見ると奇天烈な『趣味』を持っていて社交的でひょうきんな彼、その内側の脆さ、まっすぐさ、本当に好きです。
気持ちのいい言葉遊びの会話もいい。S&Mシリーズの「こんな夜はシャンプーハットみたいだ」みたいな意味なしジョークも好きだし『六人の超音波科学者』のあとがきにもあった「5mあったらだいたいなんでも怖い」みたいなじわりじわりとくる面白さ、未熟な私には説明できないので読んでくださいとしか言えませんね。
あとはシリーズを超えた繋がりがあるのがいいよね、オタクはみんな好き。
まあでもこういうのは説明するのは不作法というところがあると思うのでとりあえず読んでねとしか。
私は3巻のトリック解説パートのところで「くやじい、ん?」となって『超音波科学者』『恋恋蓮歩』で確信した口ですね、一般的にはどこらへんでどういう感想持つものなのだろう?
あとは、感想なんかを。
結末は正直予想通りでやっぱりそうなっちゃうのかと思ったのがひとつ。私はミステリに対して自分を騙してほしい、自分の想像を超えてほしいと思っている気がするのでこの点は若干残念だったのかなと思う。
シリーズを通しての彼らの関係性についてももっと着地してくれるものだと思っていたのでそこも拍子抜けというかなんというか。
でも結論がないということは私たちの頭の中で様々な想像ができるのだし、これからの作品で拾ってくれるのかななんて期待もあるので必ずしもマイナスであるとは限らない。
ちょっとフォローをいれた感情でマイナスなのかなと見えるけれど私は正直楽しみの方が大きい、次のGシリーズは《彼女》が主役らしいしね…
酒がまわって混乱しているうちに投稿してしまおう、それでは。